不動産売却をする時に知っておいた方が良いのは、譲渡所得の計算方法です。不動産売買による譲渡所得には、所得税や住民税などの税金が課せられます。譲渡価額から取得費や譲渡費用などを控除した後の金額が譲渡所得になります。この場合の取得費とは、不動産売却をした物件を買った時に支払った購入代金のことです。ただし、建物の取得費を計算する場合には注意が必要です。建物を購入した時の取得費から、減価償却費に相当する金額を控除した後の値が取得費になります。土地や建物を購入した場合に、仲介手数料などを支払った場合にも、取得費の一部に含まれます。この計算方法には特例もあり、特例が適用されるのは、実際にかかった取得費の金額が、不動産売却による譲渡価額の5パーセントに満たない場合です。この場合には実際の取得費の代わりに、譲渡価額の5パーセントに相当する金額を取得費として、譲渡所得の計算をすることが可能です。この方法で計算することにより、取得価額が5パーセント未満の場合でも5パーセントの取得価額を控除できるので、不動産売却に関する税金を少なくしたい人には有利な制度です。譲渡所得を計算する場合には譲渡費用も細かく計算する必要がありますが、譲渡所得は建物を売却する時に支払ったさまざまな費用が含まれます。不動産売却の仲介を不動産会社に依頼した時に支払った手数料なども、こうした譲渡費用に含まれます。不動産売却をするために直接必要だった費用なども、譲渡費用です。こうした費用に該当するものとしては、不動産や建物を測量する時に支払った費用などがあげられます。不動産売却をした物件が借家であった場合には、住人に立ち退きをしてもらうために支払った費用も、譲渡費用に含めることができます。土地の上に建物が建てられていた物件を売却する時に建物を所有者が取り壊した場合には、取り壊しのためにかかった費用も譲渡費用に含めることができます。